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埼玉県新座市は武蔵野台地の上部やや内側に位置し、市内のほぼ全域に台地が広がっています。
これらの台地面が、黒目川や柳瀬川などの小さな水路や河川によって少しずつ削られたことにより、市内には大小様々な谷地が複雑に分布しました。
台地面は起伏が少ない平坦面で海抜高度も比較的高くなっており、「関東ローム層」と呼ばれている火山灰土の地質で覆われています。関東ローム層は2種類に大別されており、1つは赤土(上部のローム土)の部分、もう1つは凝灰質粘土(下部)の部分です。
新座市の関東ローム層は自然堆積したローム土にあたり、安定していることと比較的強い強度が期待できるエリアとなっています。そのため、住宅の地盤としての条件は良好です。住宅の地盤としての活用を目的とする場合は、地面の表土部分をきちんと確認することも必要となるので注意しておきましょう。
市内全域で確認できる谷底低地(台地部分が河川などによって削られてできた低地)は、台地部の間に広がるように細かに分布しています。このエリアには台地を形成していた土砂が再び堆積した土や腐植土(有機質土)などが広がっており、地盤の強度はやや軟弱な傾向です。したがって、長期的な地盤の沈下(圧密沈下)の防止を目的とした基礎補強策が必要となる場合が多くみられます。
台地部分と低地の境目は、台地の側面から低地側へと下る傾斜の形になっており台地面と同じように安定した地盤。しかし、場所によっては地盤に浸透した雨水や地下水の影響で強度が軟弱化している可能性もあるので不動産業者の担当者と地盤のバランスを確認しておくとよいでしょう。
新座市により発行されているハザードマップを確認してみましょう。このハザードマップにはゲリラ豪雨などにより荒川や綾瀬川、黒目川が増水して堤防が決壊または越水した場合に予想される浸水の範囲や深さや水害について記されています。
また、土砂災害が発生した場合に、被害が予想される範囲も掲載。予想に関して荒川は概ね200年に1度、柳瀬川や黒目川は概ね100年に1度の大雨(ゲリラ豪雨など)が降った場合の想定です。
まず、非難が必要となる河川の基準水位ですが、これには4つのレベルがあり「水防団待機水位」、「はん濫注意水位」、「避難判断水位」、「はん濫危険水位」があります。住民が避難を行なう目安となるレベルは「はん濫注意水位」、避難勧告が発令され住民が避難を判断する目安となるレベルが「避難判断水位」です。
はん濫注意水位は荒川では3.5~7.5m(水位の指標が3点あるため)、柳瀬川では19.65m、黒目川では5.8m。避難判断水位は荒川では4.8~10.8m、柳瀬川では19.95m、黒目川では6.25mとなっています。
柳瀬川や黒瀬川沿いで予想される浸水の深さは、ほぼ0.5m未満です。浸水深度が深いことが予想される地域でも1~2m未満。これは一軒家の一階部分の軒下まで浸水する程度です。0.5m未満の地域では大人の膝まで浸かる程度。これにより、万が一浸水が起こった際でも比較的被害が抑えられることが予想されます。
前項では洪水・浸水被害について確認しましたが、ここでは土砂災害についてみていきましょう。
土砂災害は大きく3つに分けられ「急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)」、「土石流」、「地すべり」。長期間続く長雨や大雨、ゲリラ豪雨、地震などによって発生し、全国各地で被害が確認されている自然災害です。
新座市で発生する恐れが予想されている土砂災害は「急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)」のみとなります。がけ崩れは大量の雨や地震などの影響で地盤がゆるんでしまい、突然斜面が崩れ落ちてしまう現象です。
傾斜が急な斜面で起こりやすく崩壊速度も速めであるため、非難が間に合わず逃げ遅れてしまう人が多いという点も特徴。土砂災害が想定される区域には土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域(イエローゾーン、レッドゾーンとも呼ぶ)があります。
土砂災害警戒区域は、がけ崩れが発生した際に住民等に生命や身体に危険がおよぶおそれがあると認められている区域です。
土砂災害特別警戒区域は、土砂災害警戒区域内で危害が生じるおそれが顕著であると認められている区域を言います。
新座市内の土砂災害警戒区域は16ヵ所、土砂災害特別警戒区域は12ヵ所。警戒区域に指定されている地域で見てみると、柳瀬川や黒目川の付近に分布していることが確認できます。
これにより、洪水などの水害が発生した場合には柳瀬川、黒目川周辺では二次災害として起こる可能性もある土砂災害に十分注意しておかなければなりません。
上記2項でも記述したように新座市内でも水害や土砂災害に注意しなければならないエリアがいくつかあります。では、水害や土砂災害の際に被害を受けにくいエリアはどこでしょう。
まず該当する地域の1つは、「野火止」エリアです。新座市のほぼ中央部に位置しているエリアで周囲に大きな河川も流れていないことから、洪水などの水害が発生した際にも比較的被害を受けにくいエリアと言えます。
また、野火止台地という台地エリアにあり周辺エリアよりも高い位置にあるため浸水の被害も受けにくいと考えられます。周辺エリアよりも高い位置にあることでがけ崩れなどの土砂災害の心配も出てきますが、野火止エリア内には土砂災害(特別)警戒区域に指定されているエリアはありません。
このことから、野火止エリアは水害・土砂災害からは被害を受けにくいエリアであると言えるでしょう。
避難所に指定されている場所には公民館や市役所、小中学校など生活に身近で場所の分かりやすい施設も多くあります。そのため避難が必要となる災害の時には、どこの避難所を目指せばいいのかもより分かりやすいでしょう。
また、野火止エリア内には防災行政無線が比較的均一に設置されており、どの地点からでも防災無線からの情報を得やすい工夫がされています。警察署や消防署、エリアから少し南下した地域にはヘリポートもあり、水害などからの二次災害が発生した場合にも迅速な対応が行われることを期待できます。
新座市内で水害や土砂災害の被害を受けにくいもう1つのエリアは「畑中」です。畑中エリアは前項でも記述した野火止エリアと隣接しているエリア。エリア内には黒目川も流れていますが、洪水などの水害の際に浸水が予想される区域には指定されていません。
しかし、エリア北部に1ヵ所土砂災害(特別)警戒区域に指定されている区分があります。水害の被害を受けにくいエリアではあっても、土砂災害(特別)警戒区域に指定されているエリアの付近では災害時に注意しておくことも必要です。
畑中エリア内には土砂崩れの心配のある急斜面や黒目川以外の大きな河川もなく水害などの災害の発生時には、その被害を受けにくい地形となっていることが伺えます。緊急時に制限される緊急輸送道路もエリアを囲むように指定されており、緊急車両の通行をスムーズにサポートできるでしょう。
また、黒目川の水害に対する備えとして、治水対策の推進も行っています。降雨時の雨水量流出量を抑制する目的として雨水貯留施設の整備や透水性舗装の促進も図っています。市役所のみならず、民間の事業者に対しても指導を行い雨水の敷地内処理や透水性舗装の実施を促進。浸透ますの設置など水害に対する防災設備の推進も行っています。
畑中エリアは、地形の面では水害などの被害を受けづらくなっているエリアです。その一方で行政や民間企業が一体となって水害を始めとする防災への警戒、取り組みを強めているエリアでもあると言えるでしょう。
新座市は市内全体に渡り水害や土砂災害の被害を比較的受けにくい土地となっています。その中でも、野火止や畑中はより好条件の土地とも言えるでしょう。新座市で水害などの被害が少ないエリアをお探しなら、野火止・畑中エリアがおすすめです。
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